米国研修(CASRIP)報告

2017年7月10日~7月21日までの間、ワシントン大学ロースクール(シアトル)で開催されたCASRIP(Center for Advanced Study and Research on Intellectual Property)に参加しました。

ワシントン大学

CASRIPの夏期講習は毎年開催されており、例年の参加人数は100名程度ということでしたが、今年の参加人数は30数名でした。参加者は日本、韓国、中国、タイ、台湾などアジアからの参加者が大半でしたが、ヨーロッパからの参加者も数名いらっしゃいました。また、参加者の職業は、弁理士、審査官、学生、裁判官、会社員、国家公務員などでした。
CASRIPの魅力の1つは、いろいろな国からのいろいろな職業の方と交流できるところであると思います。CASRIPのプログラムには、数々のレセプションが含まれているため、参加者、開催者、あるいは現地の法律事務所のメンバーと交流することができます。

今回のCASRIPは2週間のプログラムでした。
1週目は、主に技術的な内容に関する講義でした。具体的には、例えば、CRISPR、VR(仮想現実)/AR(拡張現実)、AIなど、他分野に亘る最先端技術に関する講義でした。私は、主に電気あるいはソフトウェアの分野の案件を担当することが多く、AIなどに関してはある程度知っていたのですが、自分の担当分野以外(例えば化学分野)の最先端技術に関する講義は、かなり新鮮な印象を受けました。
2週目は、主に米国特許法に関する講義でした。具体的には、例えば、特許の保護対象(101条)、新規性(102条)、近年の判例、及び訴訟などでした。判例としては、特許適格性に関するAlice事件、国際消尽に関するLexmark事件、裁判地に関するTC Heartland事件などが紹介されました。

講義の様子

CASRIPの魅力の1つは、豪華な講師陣だと思います。技術に関する講義では、その技術にまさに今携わっている技術者の方が講師であったり、米国特許法に関する講義では、著名な教授や裁判官などが講師としていらっしゃいました。特に、ある判例に関する講義では、その裁判に当事者(弁護団)として参加していた方が講師であり、かなり臨場感のある講義を聴くことができました。

2017年8月 中村 琢磨