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欧州特許庁および英国知的財産庁の早期審査制度の紹介

欧州特許庁(EPO)および英国知的財産庁(UK-IPO)に対する特許出願では、公的手数料のかからない早期審査制度を利用できます。以下、それぞれの制度の概要をご紹介します。


■EPOのPACEプログラム

EPOのPACEプログラムでは、EPC出願に対する先行技術調査および/または審査手続を早めることができます。PACEプログラムを利用するにあたって特別な要件は一切ありません。したがって、PACEプログラムの利用を要求する際に、早期審査を希望する理由を述べる必要はありません。

PACEプログラムの利用の要求はいつでも行うことができます。また、この要求においてEPOに手数料を支払う必要はありません。

EPOは、審査部の作業負荷上の問題がなければ、PACEプログラム利用の要求を認めます。通常は、この要求は認められますが、要求を認めるか否かの決定はEPOの自由裁量で行われます。

PACEプログラムでは、先行技術調査のみ、審査手続のみ、あるいは、先行技術調査および審査手続の両方を早めることができます。先行技術調査の場合、多くのケースで、要求を行ってから6ヶ月以内にサーチレポートが発行されます。審査手続の場合、通常、EPOは、最初の審査結果を3ヶ月以内に発行し、最初の審査結果に対する出願人の応答から3ヶ月以内に更なる審査結果を発行することを目指して処理を進めます。

なお、PACEプログラムを利用する場合、出願人は、審査結果に対して、応答期間の延長を行わずに応答する必要があります。

PACEプログラムの詳細はこちら:http://archive.epo.org/epo/pubs/oj010/06_10/06_3520.pdf


■UK-IPOでの早期審査

UK-IPOは、自由裁量により、早期審査の要求を認めるか否かを決定します。早期審査の要求には、対象の出願に関して明確な理由が必要です。

早期審査の要求が認められる可能性が高い理由としては、例えば、侵害の可能性があること、または、投資家の信頼を得る必要があることなどが挙げられます。また、商業上特別に重要な出願については、早期審査の要求が認められることもあります。さらに、他の国での特許審査ハイウエイ(PPH)の利用のために早期に許可クレームを確定したい場合、早期審査の要求が認められます。

「環境保全技術(green technology)」に関係する出願については、UK-IPOは、早期審査の要求を認めなければなりません。「環境保全技術」の定義は厳密でないため、何らかの、「環境保全」に関係する側面または利点がある発明であれば、これに該当する可能性があります。

早期審査の要求が認められると、UK-IPOは、通常、最初の審査結果を2ヶ月以内に発行します。

UK-IPOでの早期審査の詳細はこちら:http://www.ipo.gov.uk/p-fastgrantguide.pdf

ご不明な点やご質問があれば弊所までご連絡下さい。

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