お知らせ

米国特許に関する最近の動向

1.優先審査(prioritized examination)について

2011年9月26日より、米国特許商標庁(以下、USPTO)は、早期審査を実現する手段の一つとして、優先審査を導入しています。 優先審査は、手数料$4,800を支払うと、1年以内に最終処分を行う制度です。 導入当初は、新出願でオフィスアクションが出ていない出願のみ適用されていましたが、2011年12月19日から継続審査請求(RCE)にも適用されるようになりました。

導入から現在(2012年3月15日時点)までの統計は以下のようになっています。

・優先審査の申請の数:合計2,628件

・優先審査の許可の数:1,974件中1,927件(97.6%)但し、審査継続中の数は除く

・申請から許可までの期間:平均40.8日;最長95日

・許可から第1回オフィスアクションまでの期間:平均31日(申請からは66日後)

・優先審査による最初の特許:USP8,094,942(特許権者:Google)

優先審査の申請:2011年9月30日(出願と同日)

優先審査の許可:2011年11月1日

特 許 査 定:2012年1月10日



2.USPTOの手続き料金改定の動き

2011年9月16日に成立した米国特許改正法案により、USPTO自らが手続きや規則を積極的かつ効率的に改善可能にするため、USPTOに料金決定の権限が与えられました。

これに伴いUSPTOは2011年9月26日に料金を全面的に15%値上げしましたが、さらに、最近、立て続けに新しい料金案を発表しています。

以下に示す2つの料金案は、いずれも料金が値上げされる傾向になっており、米国への特許出願戦略に影響を与える可能性があります。 したがいまして、今後のUSPTOの動向に注視する必要があります。

(1)米国特許改正法案により2012年9月16日から施行される新しい手続きの料金案

・査定系再審査(Experts Reexamination):現行$2,520 → 提案$17,750

・補足審査(Supplemental Examination):$7,000

・当事者系レビュー(Inter Partes Review):$27,200(クレーム数が20以下のみ)~

・特許付与後レビュー(Post Grant Review):$35,800(クレーム数が20以下のみ)~

(2)2013年2月から施行される料金案*1

USPTOは、2012年2月7日に新しい料金のための提案を発表しました。

現行 提案 増加率
出願基礎料金
(出願、サーチ、審査)
$1,250 $1,840 $590 47%
優先審査 $4,800 $4,000 -$800 -17%
3を超える独立クレーム数 $250 $460 $210 84%
20を超える独立クレーム数 $60 $100 $40 67%
明細書ページ $310 $400 $90 29%

延長料金

1ヶ月 $150 $200 $50 33%
2ヶ月 $560 $600 $40 7%
3ヶ月 $1,270 $1,400 $130 10%
4ヶ月 $1,980 $2,200 $220 11%
5ヶ月 $2,690 $3,000 $310 12%
RCE $930 $1,700 $770 83%
審判請求通知 $620 $1,500 $880 142%
準備書面提出 $620 $0 -$620 -∞
審判請求 $0 $2,500 $2,500
補足審査 $5180/$16120 $700/$20000 $5,700 27%
公開/登録印刷費 $2,040 $960 -$1,080 -53%
維持年金 1回目 $1,130 $1,600 $470 42%
2回目 $2,850 $3,600 $750 26%
3回目 $4,730 $7,600 $2,870 61%

小規模団体は50%減、マイクロ出願人(含大学)は75%減。

*1 http://www.uspto.gov/aia_implementation/fees.jsp

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