お知らせ

H20年特許法改正における補正・分割出願時期の変更

PDFダウンロード

 H20年特許法改正において、知的財産権の戦略的な活用を促進する観点から、迅速かつ適正な権利の保護のための環境整備を図るため、不服審判請求期間及び特許請求の範囲等の補正可能時期の見直しが行われました。これに伴い、分割出願時期も見直されております。

 H18年特許法改正におけるシフト補正の禁止(特許法第17条の2第4項)により分割出願の重要性が高まっていますが、H18年特許法改正における分割出願に対する固有の補正制限(同法17条の2第5項、特許法第50条の2)と併せて今回の法改正を踏まえて分割出願を適切に行うことが重要です。

 H20年特許法改正における見直しの内容は以下の4点です。

①特許制度において、拒絶査定不服審判請求期間(現行:30日以内)が「3月以内」に拡大されます(同法第121条第1項)。また、特許請求の範囲等の補正可能時期(現行:審判請求から30日以内)が審判請求と同時にのみ可能と変更されます(同法17条の2第1項第4号)。
②特許をすべき旨の査定(拒絶査定不服審判におけるものを除く)の謄本の送達があつた日から30日以内に分割出願が可能となります(同法第44条第1項第2号)。この期間は、同法第4条の期間の延長又は同法第108条第3項の規定により特許登録料の納付期限が30日延長された場合には併せて延長されます(同法第44条第5項)。
③拒絶をすべき旨の最初の査定の謄本の送達があつた日から3月以内に分割出願が可能となります(同法第44条第1項第3号)。
④意匠制度と商標制度において、拒絶査定不服審判と補正却下決定不服審判に係る審判請求期間(現行:30日以内)が「3月以内」に拡大されます。

(なお、2008年12月26日政令第403号により上記改正は2009年4月1日以降に特許をすべき旨の査定又は拒絶をすべき旨の査定を受けた出願が対象となります。)

 特許出願についての補正及び分割出願が可能な時期は『2007年3月31日以前の出願』と『2007年4月1日以降の出願』で異なりますので注意が必要です。また、分割時期によって分割要件を判断する際の基礎となる基準明細書が異なりますのでこれにも注意が必要です。

 具体的な補正・分割出願が行える期間については下記の図を御参照下さい。ご不明な点があれば弊所までお問い合わせください。

ページの先頭へ